日本指折りの夜景の名所、函館山(北海道函館市、標高334メートル)は、一般人の立ち入りが禁止された時期があった。山全体が軍事施設となった時代があるからだ。
函館湾と津軽海峡に囲まれた市街地の光が作り出す100万ドルの夜景を求め、国内外から多くの観光客がロープウェーで山頂展望台に上る。
実は、その展望台のすぐ隣の地下に、旧日本軍「函館要塞(ようさい)」の御殿山第一砲台跡がある。明治中期に完成した。函館市が舞台となった昨年の大ヒット映画「名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)」に軍事施設が登場。地元では、そのモデルになった場所と言われる。
ふだんは公開されていない砲台跡内部に6月、函館市の許可を得て入った。
さあ、中へ
幅約2メートル、長さ約25メートルのトンネルを通り抜けていく。
れんが壁は劣化し、一部崩れている。
記事後半では、「函館要塞」の現在の様子を撮った写真のほか、函館市立中央図書館が所蔵する当時の資料をご覧いただけます。
当時は吹き抜けだった空間に…